最近目立つのが分業化。
例えば、製品本体を生産するところまでは中国で行い、最後のパッケージングだけを海外で行ったりします。模倣業者にとってどういうメリットがあるかと言うと、知財侵害の瞬間が限りなく短くなるわけです。
中国では行政の力が強く、逆に司法が弱いため、知財侵害に対して勝訴するためには、非常に明確な侵害の証拠を押さえる必要があり、何よりも侵害の瞬間を現場でおさえることが一番確実です。
しかし、その侵害の瞬間が極端に短ければ、なかなか立証しようがありません。模倣品の生産工程において、1~10まで全ての工程を1つの工場拠点で行っていれば、その場所に突撃すればいいのですが、ある工場では製品本体を作り、次の別の工場ではそのチェックをするだけ、そして最後の最後の工程で模倣ラベルが貼られるが、それが海外であれば、最終的に侵害を立証できる瞬間というのは、中国国内に製品が戻ってきて流通に出る一歩手前のごく一瞬だけになります。
製造拠点だけでなく、販売拠点も中近東や東南アジアへの移転が多くなっています。世界最大のフリートレードポート「ジュベル・アリ」があるドバイでは、「ドラゴン・マート」という中国からの輸入品を扱うショッピングモールがあり、ここには中国模倣業者が多く入居し、日々中国製品の売買が行われています。
これまでは各業者が単独で模倣品生産を行っていましたが、今では複数の模倣品業者が協力体制を組み、点ではなく世界的なネットワークを駆使した面で、侵害行為を狙っています。
現場を押さえた立証以外、頼みの綱が極めて少ない中国では、その侵害行為を合法に止めさせていくということは、今なお非常に困難な状況であるようです。
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