Apple Payは、米Apple社が米国・英国で展開するモバイルペイメントサービスですが、何かと言うと、非接触ICによるNFCの決済インフラを活用した決済サービスで、さらに噛み砕いて言うと、iPhoneでピッてやって支払い完了できるってことです。
まず!どういう仕組みか。いたってシンプルです。
あなたが持っているクレジットカードやデビットカードをあなたのiPhoneのカメラでスキャンします。そしてカードの裏面に書いてある3桁のセキュリティコードを入力し登録すれば、これであなたのiPhoneとあなたのクレジットカードの紐付けが完了!あとはiPhoneをお店のレジのカードリーダーにかざせば、「ピッ」と決済完了なわけです。要はオサイフケータイのApple端末版ですね。
※かなり平たく分かりやすく書いているので、多少雑になっています。お許し下さい。
さらに!例えばiTunes Storeにクレジットカード番号を登録しているiPhoneユーザーであれば、その情報をそのままコピーしてすぐにApple Payを利用することも可能なようです。
Appleサイドから見れば、このサービスを完成させるために最も重要な登場人物が、クレジットカード会社や銀行の存在です。決済端末のシステムがあって、紐付くクレジットカードやデビットカードがなければ、肝心の決済はできません。実はApple Payは香港、シンガポール、オーストラリア、スペイン、カナダでも既に使えるようになっているのですが、提携先はAmerican Expressカードのみ。これでは到底、ユーザーの利用機会が広がっていかず、その市場拡大は今なおボチボチですが、今回の中国上陸は相当な規模で展開される模様です。
まず、あの中国最大手である銀聯(UnionPay)、そして中国銀行(BOC)、中国工商銀行(ICBC)、中国建設銀行(CCB)、中国農業銀行(ABC)、招商銀行(CMB)など中国大手銀行がズラズラとその名を連ね、総勢19行が既に提携済みのようです。さすが、iPhone 6, 6 Plus以降のユーザーが数千万人いる中国市場は、Appleが見ても、カード業界が見ても最注力市場というわけですね。
※中国では、クレジットカードより、デビットカードがよく使われています。また、中国のデビット元祖である銀聯は、多くのキャッシュカードに付いており、少なくとも1人1枚は持っていると言っても、過言ではありません。
これだけのユーザーを握り、これだけの提携先を揃えるApple Payが、AliPay、WeChat Paymentに次ぐ第三の波となり得る可能性は大で、Apple Pay参入により中国のモバイルペイメント市場はさらに活性化することでしょう。また、リアル店舗だけでなく、オンラインモールやECサイトでの活用もどんどん広がっていくのではないでしょうか。
ただ、偽物横行などにより国内消費に懸念を抱く中国人消費者にとって、Apple Payの提携先が中国の銀行のみというのは少々不自由で、海外送金が難しいという状況が変わるわけではありません。今回のこのApple Pay中国上陸の事実が越境ECにどれほどの影響を与えるかは、期待はするものの鵜呑みにはできない感触で、引き続き追っていきたいと思います。
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