2月25日より、サムスンのモバイル決済サービス「サムスンペイ(Samsung Pay)」が中国でモニタリングの開始をしました。
どちらも「スマホでピッ」ってできる決済サービスで、NFCという近距離無線通信技術を使っています。ちなみに、Near Field Communicationの略ですね。
アップルペイとサムスンペイ。何が違うのか?
どちらもNFCを利用した決済サービスですが、サムスンペイはさらにMSTという技術も盛り込んでいます。
MSTが組み込まれていると何が出来るのか。
まず、サムスンペイアプリに既存のクレジットカードを登録しておきます。
例えば、レストランでお会計をする時に、登録しておいたクレジットカードをアプリ内で選択。そして、サムスン端末に内蔵されている指紋認識センサーで本人確認。そしてレジで「ピッ」ってするんですが、なんと、かざす先は従来のクレジットカードリーダーなのです。クレジットカードリーダーが必要なカードの磁気情報がワイヤレスで送信され、以上、決済終了というわけです。
消費者が便利な決済サービスを使えるだけでなく、お店側が今まで使っていたクレジットカードリーダーを使えるというのは、お店経営サイドから見ると非常に経済的でありがたいお話ですよね。
ちなみに、MSTはMagnetic Secure Transmissionの略で「磁気セキュア伝送」という意味です。
ところで、アップルペイの提携する中国金融カード会社の数は現在19行ですが、サムスンペイは7行にとどまっています。中国建設銀行クレジットカードとデビットカード、光大銀行クレジットカード、広東発展銀行クレジットカード、民生銀行クレジットカード、中国工商銀行クレジットカード、平安銀行クレジットカード、中信銀行クレジットカードとデビットカード。
アップルペイの提携先と重なる所が多くありますが、銀聯はまだ入っていないようですね。ただ、昨年の12月にサムスンは銀聯との協力体制を約束しているので、おそらく近いうちには銀聯提携も実現するでしょう。サムスン側としては、まだモニタリング段階だからこの程度にしておいているとのことで、実際にサービスインの際にはもっと提携先を広げていくとのこと。
世界のスマートフォン市場の最大シェアを持つサムスンですが、スマホ最大市場と言われている中国では苦戦しています。アップル、そして中国発の有力スマホメーカー小米(シャオミ)、さらに華為技術(ファーウェイ)が中国でのシェアを伸ばしています。
さて、中国におけるサムスンペイのサービスインは、今後の中国スマホ市場の勢力図にどのように影響してくるでしょうか。行く末が楽しみですね!
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