その直営店へのリンクや入り口は一切用意されておらず、普通にTmallを利用していては見つけることが出来ません。
Tmallの検索窓で「天猫国际直营」と検索すると、一般ユーザーでも見つけることが出来ます。
このような感じで↓↓
どんな商品を売っているのか、ちょっと中を覗いてみましょう。
日本の紙おむつや日用品が多く売られているようです。
ショップの概要を確認したところ、これらの商品はTmallが直接メーカーから仕入れて販売しているとのこと。販売の特長としては、
- これまで爆買いされ続けてきた人気商品をラインナップ
- 平均単価は少々低く、手の届きやすい価格帯
- 全商品に7日間無条件の返品保証付き
消費者目線から見ると、非常にユーザーフレンドリーな出店状況です。
ところで、Tmallには「Tmall国際」という外資系企業が直接出店できる専用のモールがあります。そこでは、日本や欧米の企業が直接出店をしています。逆に言うと、Tmall本土版のほうでは外資系企業は中国現地法人がない限り出店できません。
このような外資規制がある中で、当のTmall自体は、外資系企業の商品を直接彼らから仕入れ、Tmall本土版のほうで直接販売を始めたというのです。これは出店企業を含めTmall関係社界隈になかなかの波風を立てる異例の出来事でしょう。
Tmall直営店が扱う商品として抜擢された外資系企業は、自社商品がTmall本土版でも適正な値段でTmall自身によって販売されるということで恩恵を受けますが、選ばれなかった外資系企業はたまったものではありません。いまだTmall本土版には、中国系の商社などを通してしか流通させることが出来ないわけですから、値段や流通量のコントロールはもちろんのこと、ブランドコントロールすらも手間のかかる状況が続いています。
さらに言うと、Tmall本土版とTmall国際の訪問者数の差が歴然です。下記は簡単な比較にはなりますが、一目瞭然でTmall本土版のユーザーのほうが圧倒的に多いことが分かります。
中国市場に期待を寄せてTmall国際に出店してみたものの、Tmall本土版に比べユーザー数が圧倒的に少なく、売上に伸び悩む外資系企業は多く、そんな中、一部の外資商品がTmall自身により販売され、Tmall本土版のほうで良い条件で売られているとすれば、選ばれなかった外資企業には残念な結果となってしまいます。もちろん、Tmall本土版に出店する中国法人ショップ群に外資商品を卸している商社なんかも、打撃を受けかねないでしょう。
普通にTmallを使っていれば気づかないほどの ’こっそり’ オープンであるところを見ると、やはりテストマーケティング的な要素は強いかと思いますが、これが本格化するとなるとTmallの大きな '舵きり' になるのではないでしょうか。
Tmallのライバルで「京東(JD)」という中国巨大ECモールがありますが、京東はTmallとは逆でスタートアップ時は小売店テナントは募集せず、すべてが京東の直販からのスタートで、急激に成長した経緯があります。
今回のTmallの直営店オープンもこういった京東に対する対抗策か、あるいは少なくとも京東から何らかの影響を受けた試策であることには間違いなさそうです。
※参考:Tmall(天猫)の直営店はコチラ
最新情報をお届けします
Twitter でbizchinablogをフォローしよう!
Follow @bizchinablog
コメントはこちら