1つ目は、そのブランドの意味そのものを引き継ぎ、漢字化するということ。2つ目は、その音の響きをなるべく近づけるということ。
例えば、スターバックス。
中国で商標登録されているスターバックスは「星巴克」と書きます。読み方は「シンパァークゥー」です。
うまくお伝えし辛いのですが、この「星」と「巴」と「克」という3つの漢字。ネイティブの方から見るとこの漢字たちは海外的なイメージを連想させるようです。そもそも「星」は「スター」そのものであり、さらには「克」は「客」「お客様」と同じ読み方でもあります。BtoC商売のスターバックスには重要な漢字ですよね。そして、発音もなんとなく英語発音に近しいとお分かりいただけるかと思います。まさにスターバックスブランドのイメージをそのまま漢字に落とし込んだ商標ですね。
他にもご紹介すると、シャネルなんていうのも素晴らしい中国語ネーミングです。
中国で商標登録されているシャネルは「香奈儿」と書きます。
発音は「シャナィルゥー」。こんな感じです。ここではカタカナでしか表現できませんが、もともとのCHANELという発音に響きが近いですね。シャネルの場合は、音を近くすると同時に、かわいらしい連想をさせるような意味合いも織り交ぜています。見事なネーミングですね。ちなみに、中国で「小香」(ショオゥシャン)と呼んでいる方が結構多いです。愛称ですね、笑
他にも、
ナイキ → 「耐克」と書きます。これは「ナイクゥ」と読み音が近しいと同時に、「耐えてやりぬく!」というようなニュアンスがあり、意味を引き継ぐという点でもクリアしていますね。非常に素晴らしいネーミングです。
マクドナルド → 「麦当劳」と書きます。こちらは音重視ですね。「マィタンロン」と読みます。
ベンツ → 「奔驰」と書きます。こちらは両方で、「ベンチュゥ」と読みますが、意味は「奔」も「驰」も、どちらも「走る」という意味があります。しかも颯爽と速く。とてもかっこいいですね。ベンツの魅力がこの漢字に凝縮されています。
意味と発音、いずれか一方のアプローチからネーミングをするのもいいのですが、できるだけ両方の観点から考えネーミングをしたほうがいいです。やはり商標は、その後のビジネス展開を大きく左右する最も重要なファクターです。特に現在の中国では、無いものをとにかく揃える大量消費型から、個人に合った商品をより吟味して選んで購入する自分消費型に切り替わってきています。ひと昔前よりも、好きなブランドへの愛着が深い消費者が増えてきており、しっかりとしたコンセプト発信力のある商標が、のちのちに勝ち残る可能性が高いものであることは間違いありません。
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