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【京東】物流網の一般開放に続き、送料値上げ。94億元の赤字を奪回する施策着々と

【京東】物流網の一般開放に続き、送料値上げ。94億元の赤字を奪回する施策着々と
12月1日、京東商城の送料規定に大きな改変がなされました。端的に言えば、京東商城(JD)で商品購入した際の送料が値上がりします。

京東商城は会員によってランク分けされており、一般会員、ブロンズ会員、シルバー会員、ゴールド会員、ダイヤモンド会員、プラス会員の6ランクが設けられています。

まず、すべてのランクの会員に対して、これまでは購入総額99元以上の場合、送料は無料となっていました。今回の規定改変により、99元以上であっても購入重量が10㎏を超えた場合には、1㎏増加につき1元の追加送料が発生するとのことです。この重量基準による追加送料規定は、購入総額により異なります。

※ちなみに、これまで79元以上で基本送料が無料となっていたダイヤモンド会員およびプラス会員に対しても、今回の送料規定改変で基本送料が無料となるラインが99元以上に引き上げられました。重量基準による追加送料規定も適用されます。

今後、家電など重さのある商品の購入に影響が出てくることは間違いなさそうです。

重量基準の追加送料規定とは?


現状の整理をします。全ランクの会員に対して、まず購入金額が99元未満の場合、一律6元の基本送料がかかります。99元以上は先述のとおり基本送料は無料となります。しかしながら、全ランクの会員において、基本送料以外に重量基準による追加送料が発生することとなりました。重量基準による追加送料の算出方法は以下のとおり。
※なお、京東会員の公式ページではコチラの表で確認頂けます。
購入金額が99元未満の場合

基本送料は6元です。ただし、10kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。
購入金額が99元以上(99元を含む)の場合

基本送料は無料です。ただし、10kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。
購入金額が199元以上(199元を含む)の場合

基本送料は無料です。ただし、20kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。
購入金額が299元以上(299元を含む)の場合

基本送料は無料です。ただし、30kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。
購入金額が399元以上(399元を含む)の場合

基本送料は無料です。ただし、40kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。
購入金額が499元以上(499元を含む)の場合

基本送料は無料です。ただし、50kgを超える場合は、超えた重量1kgあたり1元の追加料金が発生します。

京準達のかかる費用は?


京準達では会員は受け取り時間帯指定ができます。これを利用する会員に対しては、別途料金が発生します。中~小サイズの商品については1注文につき6元の京準達送料が追加されます。大サイズの商品については1注文につき39元の京準達送料が追加されます。1注文の中に、中小サイズ商品と大サイズ商品の両方が含まれる場合には、中小サイズ商品と大サイズ商品の京準達送料が合算され追加されます。

極速達(特急便)にかかる費用は?


極速達では荷物は3時間以内に配達されます。全ての会員に対して、1注文につき99元の極速達送料が発生します。別料金はありません。

メーカーやサプライヤーからの直接配送の場合


すべての会員に対して、注文金額が99元未満の場合、6元の基本送料がかかります。99元以上の場合は基本送料は無料となります。※京東では他ECプラットフォームと違い、メーカーやサプライヤーが直接出店しているケースの他に、京東が直販をしているケースが多くあります。

受取住所が香港・マカオの場合


全ての顧客に対して、受取住所が香港あるいはマカオの場合は、商品の重量により送料が計算されます。計算方法は以下のとおり。

  • 3kg以下(3㎏を含む)・・・香港:27元、マカオ:32元

  • 3kg~5kg(5㎏を含む)・・・香港:51元、マカオ:60元

  • 5kg~10kg(5㎏が含まれている)・・・香港:93元、マカオ:109元

  • 10kg~20kg(20㎏が含まれている)・・・香港:183元、マカオ:214元

  • 20kg~30kg(30㎏が含まれている)・・・香港:303元、マカオ:354元

  • 30kg以上(30㎏が含まれていない)・・・香港:413元、マカオ:429元


駅やコンビニ等での商品店頭受け取りの場合


全ランクの会員に対して、京東直販商品の購入に限り、購入金額が49元未満の場合には、一律3元の基本送料がかかります。49元以上は基本送料が無料となります。こちらは重量基準は設けられていません。

以上が送料規定の概要となります。

京東会員と出店企業、両者のバランスをとり黒字化を急ぐ


11月下旬、京東グループは、これまで京東商城の物流システムとして使っていた物流網を広く一般企業にも開放しました。京東に出店しておらずとも、一般的な物流業者として利用できるということです。(※参考:http://www.jd-ex.com/product/today

というのも昨年、京東グループは94億円もの赤字を出し黒字化が急がれます。京東物流も例外ではなく、他社の物流需要をうまく取り込んでいくことで利益の出やすい体質を作っていくのでしょう。しかしながら、京東に出店している企業でも、京東物流ではなく他の物流業者を使っているケースも多くあります。さらに消費者もまた、京東商城で商品を購入する際に物流業者(宅配会社)を選ぶことができるのも現状です。他の物流業者と比べると、確かに京東物流の配達スピードやサービスの質は強みとなっていますが、今回の送料規定改変については、基本的には値上げと解釈できます。これをうけ、京東を囲む企業や一般消費者である京東会員は今後どのような判断をくだすのでしょうか。送料が高すぎると感じれば、彼らはより安価な物流業者へと流れ、逆に安すぎるとサービスのクオリティに課題が生じかねません。黒字化が急務である一方で、京東会員や出店企業とのバランスを考えていく必要性があることは歯痒いところです。

 

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