日本とは全く違う役割を担う中国のオンラインカスタマーサポート
その働きは、まるで従来のB2B貿易におけるフロント営業マンのようでもあります。
従来の一般貿易におけるフロント営業マンの仕事は、オフラインではありますが、対面がメインです。例えば、メーカー営業マン(フロント営業マン)は、中国の一次卸企業に自社製品をディストリビュートしてもらうため、その企業の担当者にセールスしコミュニケーションをとりながら、工場稼働の状況や製品の価格や品質、納期などを確認し、さらに支払いフローや通関のことまで大枠で理解したうえで、自社製品を売り込んでいくかと思います。※もちろん実情はもっと登場人物が多く複雑ではありますが。。
端的に言ってしまえば、中国越境ECのショップカスタマーサポートスタッフは、この’’フロント営業マン’’の機能をB2C向けにやってしまうというのが、ほぼほぼの役割となります。
中国越境ECにおけるオンラインカスタマーサポートの役割
というのも、中国ECでのカスタマーサービス、コールセンターでは、チャットによる顧客とのリアルタイムなコミュニケーションが最も一般的であるため、そこにはスピード性、またセールス力などが求められるのです。問い合わせに答えるだけではなく、購買に結び付けるためのテクニックがカスタマーサポートスタッフには要求されます。以下に中国越境ECにおいてオンラインカスタマーサポートに必要な機能をまとめたいと思います。
1.貿易従業者としての基本的能力
まず越境ECに関しては、国内ECと違い、商品そのものの問い合わせだけでなく、商品はいつ届くのか、関税はどうなるのか、返税に関してなど、さまざまな質問がチャットにより寄せられます。貿易に対する全般的な理解力、支払いの仕組みや物流、通関、返税などに関する基礎理解が必要になります。
2.中国語の語学力
中国ECではチャットコミュニケーションが主なやりとりになるため、メール応対などに比べ、よりスキルの高い中国語の語学力が必須になってきます。もちろん業務的な応対よりも、人間味のあるコミュニケーション力も必要になってきます。
3.商品サプライチェーンに対する理解力
自社サプライチェーンに対する理解力も必要です。チャットによるコミュニケーションでは、メール応対のようにいったん調べて返答するというプロセスでは顧客満足度を下げかねません。その場でスピーディーに正確な情報を提供することが信頼アップにつながります。自社商品に関して、主に製造、在庫管理、販売、配送に至るまでの製品の全体的な流れを十分に理解していることで、顧客とのコミュニケーションが円滑になり注文に繋がりやすくなります。カスタマーサポートスタッフは常に最前線で顧客と接しているため、彼らのサプライチェーンに対する理解は、ゆくゆくの経営においても、顧客ビッグデータ等として核となる競争力を発揮します。
4.出店しているECプラットフォームに対する理解・動向のキャッチアップ
カスタマーサポートスタッフは、自社ショップのことだけでなく、出店している越境ECプラットフォームの規定・ルールについても知っておく必要があります。中国越境ECでは突如プラットフォーム全体でのキャンペーンセールが告知され実施されることがあります。プラットフォームの最新情報を常に知っておくことで、的確な顧客フォローが可能となります。
5.一流の販売能力
冒頭で述べましたが、越境ECのオンラインカスタマーサポートは本質的には一般貿易における’’フロント営業マン’’のような役割が求められます。販売の業績と顧客満足が大変重要になってきます。中国において善しとされるカスタマーサポートには以下のような能力が備わっています。まず顧客分析能力。来店する顧客が商品を単品でしか買わない一般消費者なのか、それとも小規模の卸問屋なのか、はたまた多額の注文をしてくれる大規模バイヤーなのか、オンラインコミュニケーションを通し、顧客をうまく分析し、時には特別扱いをし購入までしっかりとフォローする必要があります。商品の専門知識はもちろん、越境ECの流れに対する理解、そして誠実さ、すべてが十分に満たされている時に顧客は注文をしてくれます。万が一購入に至らなかった場合は、根気よく継続的なフォローをし改めて注文機会を伺い導いていくところも、一般貿易の’’フロント営業マン’’の仕事に通じるものがあります。
6.リピート購入を増やすフォロースキル
一般貿易におけるいわゆる’’フロント営業マン’’は、足しげく顧客の下に通い、粘り強くフォローアップしていくことでリピート購入を促しますが、オンライン越境ECのカスタマーサポートスタッフも同じです。顧客がどれだけリピートしてくれるかがショップ成功の明暗を分けます。もちろん顧客がリピートしてくれる前提は、まず初回購入の際の満足度が高かったことが理由です。また商品知識や接客態度だけでなく、2回目の購入につなげるクーポンや割引、有益な情報提供など、顧客への実利的なオファーの出し方やそのタイミングもとても重要です。
顧客トラブルやクレームがあった場合の対処法
現在、越境ECの課題のひとつに、顧客の購入体験における満足がまだ十分に得られていない点があげられます。それは物流が複雑であったり商品の配達遅延が生じたり、アフターサービスが不十分であったり、コミュニケーションコストが膨らむなど、多くの原因があります。良い購入体験が提供できないがために起こる顧客クレームは、ショップにとって大変なプレッシャーと損失につながります。特に淘宝の場合は、簡単に返品をすることはできないため、クレームに対する解決能力が非常に重要になってきます。
中国越境ECにおいて、顧客クレームやトラブルを解決する大枠の流れをご紹介します。
1.顧客に自分の誠意を見せる
商品に満足していない、物流に不満がある、返金したい等、なんらかの不満が発生した際にまず大事なことは、「我々はこの問題を解決したい」という誠実な態度を見せることです。顧客の商品購入への感謝と顧客の気持ちに対する理解を伝えて、そして積極的に問題を解決していく合意をとります。
2.紛争の原因を調べる
中国越境ECによくあるトラブルは物流で起こります。例えば、商品がなくなったり、破損することは日常茶飯事です。このような場合でも、冷静に状況を分析し、チャットの記録や物流記録などをたどり、物流会社に連絡するか、顧客に証拠を提示して誠意を持ってコミュニケーションをとり、顧客の理解を得ることが重要です。データに残った証拠はトラブルを解決ための重要なツールです。
3.顧客のネガティブな感情を解消する
トラブルがあった際、顧客はネガティブになります。ショップへのコメントに消極的な書き込みをしたり、ソーシャルメディアで悪い口コミが広がりかねません。そんな時こそ、カスタマーサポートスタッフのコミュニケーション能力が非常に重要になってきます。顧客と十分なコミュニケーションを取り、顧客の気持ちを理解し認め、顧客のネガティブな感情を解消して、最終的にもう一度信頼してもらいます。繰り返しになりますが、淘宝など簡単に返品返金を受け付けないECもありますので対処には慎重さが求められる場合も多くあります。
返品・返金の場合どうするか
1.返金をし返品不要とする
多くの中国越境ECショップでは、ショップの評価や満足度をあげるため、なるべく早く迅速に顧客トラブルを解決するように努めています。そのため直接顧客と対話をし全額返金をした上で返品不要とする場合もあります。これは越境ECの場合、物流コストが商品より高くなることがよくあるからです。しかしながら、このやり方はショップにとって損失が大きく、また顧客にとっても最終的には本当に欲しかった商品が手に入らず、両者にとってデメリットの多い方法となってしまいます。
2.再度の無料発送。ただし商品代金は一部負担を促す
顧客にもう一度無料で商品を発送する方法です。しかしながら、2回目の商品金額を一部顧客に負担してもらうよう提案をします。例えば、商品金額が100元であった場合、顧客には再度70元を負担してもらいます。これで利益がでるような計算であれば、先述1の方法よりベターであり、多くの場合顧客はこれを受け入れてくれます。
3.割引をする
例えば、商品が破損してしまった場合、直接支払いの割引をします。この方法には顧客は概ね受け入れてくれるケースが多いです。しかしながら、交渉が入ってくることが多く、カスタマーサポート側のコミュニケーション能力が重要になってきます。
越境ECのトラブル率はオンラインカスタマーサポートを評価する重要な指標です。良いオンラインカスタマーサポートは販売する前に顧客と十分なコミュニケーションをとり、顧客の要求や需要をしっかりと把握し、物流や包装などについてもよく確認し、そして信頼できる物流会社を選び、最高の購買体験を顧客に提供しているのです。
中国越境ECに特化したカスタマーサポート(コールセンター)のご紹介
最後にご紹介になりますが、BusinessChina運営のクリップスでは、中国越境ECに特化したカスタマーサポート(コールセンター)の運営代行サービス「ECチャイナデスク」を行っております。先述したように日本とは全く違うカスタマーサポートの設置にお困りの方は、是非お問い合わせください。
是非今すぐECチャイナデスクにお問い合わせ下さい。
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