急がば回れ、中国でこそブランディングが重要な理由
【ブランドは1日にして成らず】
多くの企業は、既に自国でのブランドが出来上がっているせいか、中国でのブランディングには対してはイチから考えようとしません。莫大な需要があるとわかっているためか、出せば売れるという発想が邪魔をしているのでしょうか。しかし、実際はそうではありません。冒頭申し上げたとおりの消費者の思いがあるため、情報統制が激しい中国での口コミが台頭するショッピング習慣の中では、ブランドこそがもっとも重要な要素となります。しかしブランドは一日で確立されるものではありません。ブランディングには多くの細かなエレメントが必要になってきます。その中でも、最も大事なことは断然「商品品質」にあります。偽物や粗悪品にはうんざりの中国人消費者ですから、海外の商品に対しては断然「品質」を求めてきます。日本と違い、そもそも社会全体のあらゆる需要が膨大にあるため、高品質であることがしっかりと伝われば、そこから知名度を上げていき顧客を集め、優良なリピーターになってもらうことも実現可能なのです。需要ありきの中国ではこのようにロジックは極めてシンプルです。
ショップイメージを大切に
【ショップメイン画像の設定には時間をかけよう】
(1)自分が使いたい画像を即採用するのもいいですが、競合がどんな画像を採用しているかは必ずチェックして下さい。
(2)自分が採用した画像を競合他社のものと比べて’’目立つ’’かどうかと言う観点で考えてみて下さい。とにかく目立つことが重要です。
商品ページタイトルが命
【商品ページタイトルを書く際に重要な8つのポイント】
(1)制限文字数は極力使いきること。
(2)定期的に更新すること。
(3)特殊な記号は文字化けの原因。使用しないように。
(4)タイトルで使うキーワードが重複しないように。
(5)プラットフォーム独自のルールに注意!次の日に突然ページが強制ダウンさせられることもあり得ます。
(6)消費者が読みづらくなるようなキーワードの羅列はかえって印象を下げます。
(7)他社ブランドでよく使われる単語などは出来る限り避けましょう。あなたの商品のブランド醸成に不利になります。
(8)より有効なキーワードを複合的に組み合わせて使っていきましょう。
【引きの強い商品ページタイトルの構成】
商品ページタイトル=商品の属性キーワード+商品のプロモーションキーワード+商品の価値キーワード
(1)属性キーワード:名称、商品分類、型番、機能、特徴など。
(2)プロモーションキーワード:マーケティング関連キーワード。キャンペーン名、送料無料など。
(3)価値キーワード:商品購入により、顧客にどういう価値がもたらされるか。肝心な点は製品機能を超えた価値を抽出すること。
【商品ページタイトルの書き方】
(1)タイトルで使うキーワードが、ECプラットフォーム運営企業がもつ内部指標(商品ページの’’権重’’ ※重要度)のルールに最適化されていれば、インプレッションが多くなる傾向にあります。
(2)タイトルで使うキーワードを選択する時は、検索ボリューム、コンバージョン率、販売量など各データを参考にして下さい。ECプラットフォームにもよりますが、そのようなデータを調べられるキーワードツールのようなものが公開されているケースもあります。
(3)タイトルは、常にいくつか並行に走らせた上でABテストをしましょう。
【商品ページタイトルを’’権重’’に最適化させる】
タオバオではキーワード検索表がダウンロードできます。(※直近7日分のデータを入手することが可能。)まず売り出す商品と関係のないキーワードはすべて省きます。タオバオの場合、「人気商品ランキング」を参考にしてタイトルで使うキーワードを決定していきましょう。「総合商品ランキング」もありますが、こちらは商品ページの公開取り下げ時刻にも影響するため、’’権重’’に必ずしも連動していないケースがあります。もうすぐ販売終了となる商品は優先的に総合ランキングで上のほうになるということですね。「人気商品ランキング」をベースにすると’’権重’’に最適化されやすいことが分かっています。
時間ルールを知るべし
【商品の売り出し時間に関する注意事項】
(1)商品売り出し時刻を遅らせましょう。1日のうちでも一般的に売れやすくなるゴールデンタイムがあるのですが、その時間帯より少し遅らせて商品を公開すると良いです。ゴールデンタイムは地域によって微妙に変わってくるので明確にお伝えできませんが、おおむね午前10時~正午、午後2時~午後5時、午後8時~11時となっています。
(2)商品売り出しの時刻や更新をするタイミングについては、1分1秒の誤差にこだわる必要はありません。
(3)タオバオでは「直通車」というサイト内リスティングツールがあり、その中で「競争透視」という機能を使えば、直近1週間の任意のキーワードに関連する商品がどれだけ出品されているか調べることが出来ます。競合は必ず存在するので参考までに見るのがベターです。
(4)タオバオの総合商品ランキングは、売り出し時刻と取り下げ時刻に影響を受けます。ちなみに、タオバオのこのランキングにはTmallの商品も入ってきます。
(5)Tmallの総合商品ランキングは売り出し時刻と取り下げ時刻には影響を受けません。なお、こちらのランキングにはタオバオの商品は出てきません。
【商品売り出し時刻と取り下げ時刻をバラす】
(1)出品商品が多い場合は、出品の時間帯をバラしましょう。
(2)売り込んでいきたいメインの商品があれば、それはトラフィックピークとなる先述のゴールデンタイムに当てましょう。
(3)新しい商品や販売量がイマイチの商品に対して、データを分析してから、もっとも適した時間帯を模索しましょう。
【ショーウィンドウ】
タオバオについては、個人運営による店舗は信用度により、ショーウィンドウを与えられます。ショーウィンドウに入れられる商品は限りがありますので、うまく活用していく必要があります。まずは売れる商品はショーウィンドウに入れ売上を維持しましょう。そしてまた取り下げ直前の商品を入れるのも有効です。ショーウィンドウを活用する上で、プラットフォームによっては色んなセールスツールが出ています。ショーウィンドウに入れる商品を自動的にアップしたり取り下げたりできる等、便利な機能をもつものが多いので最大限活用しましょう。なお、セールスツールは一度決めたらむやみに変更することはおススメしません。
【最高の売り出し時間帯を選ぶ】
(1)モール全体のネットトラフィックピークとなる時間帯を分析します。
(2)あなたの店舗のトラフィックピークとなる時間帯を分析します。
数週間分程度のデータを集めて比較すれば充分です。最も訪問数が多い時間帯には新商品の売り込みやプロモーション、キャンペーンなどを適用していきましょう。
越境ECショップ運営において知っておくべきこと
【店舗PV数の構成】
(1)ショップ初期
無料で集められるPV数には限界があります。広告などPVは有料で集めるのが大半です。
意見:取り下げ時間を調整し、商品のタイトルを最適化します。
(2)ショップ成長期:自然流入によるいわば無料で集められるPV数が増えてきます。
(3)ショップ成熟期:自然流入による訪問の割合が高くなり、その量はブランドの知名度に影響されるようになります。
【何気ない商品が単品でもバカ売れすることも】
(1)例えば、「老干媽」という商品は「食べるラー油」のようなものですが、一年の売上高は25億元です。
(2)例えば、「譚木匠」は中国発の櫛ブランドですが、櫛だけを作って、上場企業にまでなっています。
(3)例えば、中国発のミルクティーブランド「香飄飄」は、わずかワンブランドで一年間の売上高が24億元となっています。
(4)例えば、中国発の包丁ブランド「張小泉」は全世界での年間売上高は数億元との情報があります。
【淘搶購(タオバオのイベント)申し込みの注意事項(イベントの活用)】
(1)ひとつの店舗につき、参加は5日に1度のみとなります。イベント参加期間は1日間のみ。1日のイベントには2個の商品まで出品可能。
(2)同じ店舗の同じ商品は15日に1度しか参加できません。参加期間は1日間のみ。
(3)違う店舗の同じ商品は、1日のうち1つしか出せず、値段設定の低い商品が選ばれます。もし全ての商品情報が全く同じであれば、先に申し込んだ商品が選ばれます。
【タイムセールツール使用上の注意事項(ツールの有効利用)】
(1)割引過ぎは厳禁です。定価の50%以下にすると顧客は不信感を抱きます。’権重’’も下がります。
(2) 割引内容を頻繁に修正するのはNG。
(3)タイムセールの時間制限を設定しましょう。
(4)お店で出す割引品の割引率を同じにしないように。不信感につながったり、手抜きの印象も与えかねません。
(5)割引率の高い商品と低い商品を組み合わせて販売してください。顧客単価をあげましょう。
(6)割引率の高い商品は1人あたりの購入個数を制限し、損失を最小化しましょう。
【商品のセット販売(キャンペーン手法の有効利用)】
(1)クロスセルは重要です。顧客が商品を購入した際、それに併用できそうな商品などを出品しましょう。
(2)相互に補完しあえる商品はどんどんセット売りしていきましょう。
(3)価格を意識した組み合わせは、顧客にお得感ををアピールすることができます。
その他、新商品をプロモーションする際は、損失とならない程度に最大限の値引きをしましょう。
越境ECショップ「これだけはやってはいけない」ということ
【既存店舗によくある問題】
(1)商品が多すぎるうえラインナップに一貫性がないと、薄利多売になっていく傾向があります。
(2)商品に特徴がない店舗は消費者にとって購買理由が見当たらず発展しません。
(3)盲目的にイベントに参加してしまい、そのイベント内容を重視していないお店もよく見受けます。イベントへの理解も重要です。
【架空オーダー作戦にはご注意を!】
例えば、「先着100名限定無料!」と商品ページに書いてしまうと、システム側で架空オーダーと認識されることがあります。もちろん’’権重’’を下げらます。この場合は、モールプラットフォーム内ではそのような表現は控え、Wechatなどのグループ内で「Wechatで全額返金」と記載するなど工夫をこらすこともお考えください。ただし、これにもユーザーや競合から告発されることでペナルティが課せられることもあるので充分な注意が必要です。
越境ECショップ成功の秘訣とは
【成功の秘訣は、その半分が品質と言っても過言ではない】
商品品質は絶対的に重要です。またそれをしっかりと発信していくことも重要です。品質重視により得られたブランド力は、他ECプラットフォームにも魅力的に見え出店を歓迎されます。EC販売においては、消費者はコスパ重視の傾向にあり、そのような見せ方も人気を得るための重要なエレメントとなります。
【クレーム対応】
(1)可能な限り電話でコミュニケーションを取ります。チャットでは誤解が生じやすいためです。例えば中国語で「呵呵」と言うと、このわずか2文字でも約10種類の態度にとらえることができます。
(2)ホスピタリティが重要です。1つの問題にしっかりと向き合い解決に導くことで、その顧客がリピーターになることも頻繁にあります。
(3)クレームをだす消費者には様々な性格の人がいます。さらに様々な意図があります。顧客の出すクレームの意図を深く理解して適切に応対することが重要です。
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