中国マーケティング情報マガジン | Business China

越境EC/インバウンド集客/ライブコマースをはじめ、中国マーケティングに関する情報を解説!

【中国】取締りが厳しくなる運送業界。新たな配達禁止物品管理規定でタバコやアルコール類の配送に影響も。

【中国】取締りが厳しくなる運送業界。新たな配達禁止物品管理規定でタバコやアルコール類の配送に影響も。
最近、中国ではタバコやお酒の配送に対する取締りが厳しくなってきています。これまでは一般的に細かい制限はなく、任意に配送することができたのですが、昨年2016年12月16日に新たに発布された「配達禁止物品管理規定」で、タバコやお酒などの配送に明確に制限がかけられました。配送業者はここに規定される物品を受け取ることで、相応の処罰を受けることになります。

明確に配送禁止と指定された物品とは


ネットショッピングの急成長により運送業界も急激な発展を遂げ、配送物の種類と量が爆発的に増えて来ています。新しい物が次々と登場し、その中には安全性の低い物や物理的に危険な物も少なくありません。これに対し、中国郵政局など3つの機関は合同で「配達禁止物品管理規定」を発布し、以下にまとめる3つの物品に対して配達禁止物として明確に規定しました。

  1. 国の安全、社会の安定に脅威がある物品;

  2. 爆発性、発火性、腐食性、毒性、感染性、放射性などさまざまな配達安全に危険のある物;

  3. 法律、行政法規及び国務院と国務院関係部門が規定した他の配達禁止の品物。


 

今回の「配達禁止物品管理規定」により、配送禁止の物品は58種類から188種類に増加。配送禁止となった物品を受け取るなどした配送業者は、規定違反となり最大50万元(約750万円)の行政処罰を受ける可能性も出てきます。

例えばタバコに関して新規定では、2カートン以上の配送を禁止としました。中国煙草局ではタバコの取り扱い業者に対して販売エリア指定をするため、他地域での販売は原則NGです。他地域への大量流出を防止するために1回2カートンまでとなったとのことです。またアルコール類では、アルコール度数が56度を超える物に関しては配送不可となります。他にも携帯電話に関しては空輸が不可となり陸運のみとなります。

「配達禁止物品管理規定」では、禁制品の適用範囲が明確に規定されておりガイド目録も発表されています。国と社会にとって危険とされる物品、また爆発性、発火性、腐食性、放射性のある物品などが新規制の配送禁止適用範囲となっています。

配送禁止となった物品詳細。58種類から188種類へ


禁制品のガイド目録を以下にまとめました。

(1)鉄砲(模倣品、主要部品も含む)、弾薬
(2)管制器具。ナイフ、三稜ブレード、スペツナズナイフ、ボウガン、催涙器など
(3)爆発性のある物。爆薬、雷管、導火線、花火、爆竹など
(4)液化圧縮気体および容器。水素、メタン、エタン、アセチレン、ライター、塩素、圧縮酸素、窒素など
(5)可燃性液体。ガソリン、ディーゼル油、燈油、桐油、アセトン、エーテル、ペンキ、生漆、ベンゼン、アルコール、ロジン油など
(6)可燃性固体、自然発火性物質、水と接触すると引火性ガスを発生する物質。赤燐、硫黄、固体アルコール、マッチ、活性炭など
(7)酸化剤と過酸化物。過マンガン酸塩、過塩素酸、酸化水素、過酸化水素など
(8)毒性物質。ヒ素、水銀化物、タリウム化物、シアン化物、硒粉、フェノール、水銀、有毒農薬など
(9)生物化学製品、伝染性、感染性物質。病菌、炭疽、寄生虫、排泄物、医療廃棄物、死体、動物器官など
(10)放射性物質。ウラン、コバルト、ラジウム、プルトニウムなど
(11)腐食性物質。硫酸、硝酸、塩酸、水素酸、バッテリ、水素ナトリウム、水素カリウムなど
(12)覚せい剤及び吸引器具、非正当用途の麻酔薬品や精神薬、非正当用途の易制毒化学品(容易に毒物を製造できる化学品)
(13)違法出版物、印刷製品、オーディオ製品などの宣伝品
(14)スパイ専用器材。盗聴機器、盗撮機器、秘密情報を得るための通信傍受機など
(15)不法偽造品。偽造又は変造した通貨、身分証明書、実印など
(16)知的財産権侵害物と偽物。特許権、商標権、著作権の侵害した図書、オーディオ製品、偽の食品、薬品、児童用品、電子製品、化粧品、織物など
(17)絶滅野生動物とその製品。象牙、虎骨やサイの角およびその製品
(18)出入国禁止物品。人間や家畜の健康に害ある物、感染諸外国・地域から輸入されてきた物及び病気を媒介する食品、医薬品とそれに関連する物品、国家機密を漏洩する可能性のある資料やファイルその他の物品など

以上です。

中国の流通を考える際に、自社の商品が禁制品に該当しないか、まさかと思う商品が配送不可とされてしまう場合も少なくありません。充分に調べた上で物流を組んでいく必要があります。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でbizchinablogをフォローしよう!

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

Return Top