ECアプリとは言うものの、コミュニティ機能があるなどそれはもはやECプラットフォームとなっています。中国、日本、韓国、台湾など東アジア圏の各国の著名な工芸職人、工房、優秀な技術をもつ中小メーカーと中国人消費者(コレクター、富裕層)をマッチングし、日々作品や製品が売買されています。
中国で高い人気の日本の伝統工芸品
2015年~2016年頃、中国で爆発的に売れた日本の伝統工芸品と言えば、南部鉄器です。ひとつ数万円~数十万円もする南部鉄で作られた鉄瓶が次々と中国人消費者により購入され、手に入れるまで3年待ちなど、驚愕の事態が今でも続いています。実際に当ブログスタッフが南部鉄器で有名なメーカーIWACHUさんに話を伺った際も、「大量生産型の機械で作ったものは在庫がある状態だが最もランクの高い鉄瓶はすべて手作りであり生産が全く追いついていない」とおっしゃっていたのを思い出します。
もちろん、南部鉄器だけが売れているわけではなく、他の日本の伝統工芸品や独自の技術が施されたメイドインジャパン製品は、かなりの量が売れており、中国人消費者に愛されています。例えば、金属加工品、包丁、花瓶、真珠、水筒、電化製品などがあげられます。
中国最大の工芸品ECプラットフォーム「東家」とは?
このような中国人消費者の海外製品ブームにより、冒頭お話したとおり、中国ではなんと海外の工芸品や民芸品専門のECプラットフォーム「東家(とうけ)」が2014年10月にサービスインしました。海外の工芸品専門というセグメントはおそらく日本ではない切り口で中国独特の発想かと思います。
基本的にすべて中国語で運営されており、消費者ターゲットエリアは基本的に中国本土となっています。2017年7月現在で、会員登録数150万人以上、デイリーユーザー(UU)が約5万ユーザーとなっており、そのほとんどが富裕層やコレクターです。商品のサプライ側には、中国、日本、韓国、台湾などの職人、工房、メーカー約4000社が東家に登録し自社製品や作品を販売しています。具体的に販売されているものとして、例えば、真珠や宝石、鉄器、陶器、銀製品、すず製品、ガラス細工、織物、漆器、紙工芸品など様々。サービスインより2年5ヶ月で売上高1億6000万円を超え、現在も急成長を遂げています。
日本の職人、作家も相当な大御所が参加しています。内閣総理大臣賞受賞金工作家の大淵武則氏、京都清水焼の名家である水出勝氏、南部鉄器の名家鈴木盛久工房第15代 熊谷志衣子氏、有田焼窯元 二代真右エ門 馬場九洲夫氏など。(※一部)
東家では一業種一社制を徹底しています。各業種の中で最も優秀で品質の高いメーカーを厳選して中国人消費者に紹介しているというスタンスをとっているため、一度認知されその良さが伝わると一気に売れるということが往々にしてあります。もちろん東家ユーザーは工芸品に理解のある人が多いため、納品に時間がかかることも重々承知の上で購入を希望します。ユーザーは購入した作品や製品を大切に扱い、アプリのコミュニティ機能を使ってその良さを発信することもあります。また作家や職人とのメッセージのやりとりもあるため、具体的に購入者の声が生産者に届くことも高く評価されているポイントです。
日本の伝統工芸品や高い技術のメーカー製品を正しい理解のある中国の新しい消費者に届けることで、きっと日本の中小零細企業や工房にも新しい風が吹き、その技術や伝統を守っていく一助となるのではないでしょうか。
私どもクリップスでは、東家ECプラットフォームへの参加支援を職人様、工房様、中小メーカー様向けに行っております。ご興味のある方は是非お問合せ下さい↓↓
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