京東が目指すドローン宅配便とは?
京東は8月31日、中国内陸部の陝西省(せんせい省)において、中国国内初となるドローン飛行の許可を取得しました。京東で発表された運送用ドローンはVT1と言い、ヘリコプターと小型飛行機を一体化したような形状となっています。総重量1kg、荷物個数にして200件まで一度に運ぶことができます。
京東では、中国のまだインフラが未発達な地域などにおいて、ドローンによる空輸を積極的に推し進める模様です。ドローン運送がシステムとして現実的なものになると、主に中国内陸部において大規模な運送ネットワークが実現します。また同社では当面の目標をドローン運送の完全自動化に注力しているとのことです。現状ドローンが荷物を運んで来たとしても、まだ人間がその荷物を取りにいく等、人間の行動が介在する運送となっており完全自動化とは言えません。京東では、人間介在の形を一切排除したドローン運送網が構築されつつあります。
京東によるとドローン宅配便は従来の一般的な宅配便に比べ、まだコスト感はそれほど変わらないとのことですが、ドローン運送のエリア拡大や利用者、利用頻度の拡大により、そのコストメリットは大幅に向上していくと言われています。2015年、京東はドローンプロジェクトを正式に発表し、2016年5月にはドローン自動運転プロジェクトを担当するX(エックス)事業部が立ち上がりました。
京東のドローン宅配便の動画はこちらでご覧になれます。
運送大手、順豊のドローン運送プロジェクトも始動
運送大手の順豊は赣州市(かんしゅう市)から今年の6月にドローンを飛ばす許可を得ています。7月13日には中国内陸部の成都で国内初のドローン運送プロジェクトを始動しました。同社では、従来の運送網ではサービス供給が不十分だった内陸部などに対して、ドローンを使い現地の専用倉庫にまで荷物を一気に運ぶことができるようになりました。
京東も順豊も現在は内陸部など農村地帯での運用を進めており、都市部の発送の場合は従来の運送網を活用したほうが効率が高いと考えられています。都市部でのドローン活用はおそらく可能性は低いだろうと見られています。とは言え、まだまだ未開拓の中国内陸部、農村部には消費需要が眠っており、ドローンによる効率の高い配送が可能になることで、新たなマーケットが拡大することは間違いなさそうです。
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