2016年5月、中国国務員より越境EC輸入に関する管理規制が、2017年末までに延長になったことは以前にもご紹介させて頂きましたが、なんと昨日の2017年9月20日、中国政府商務部広報担当が、この管理規制を更に1年、2018年末までに延長と発表しました。
※この越境EC輸入に関する管理規制については、以下記事で時系列を追ってご確認いただくことができます。
越境EC新税制度の概要が徐々に明らかに。広州からスタート確定か?(2016年4月8日に関する記事)
【速報】越境EC新制度の施行を一部1年後へ(2016年5月の動きに関する記事)
【中国】越境ECで化粧品やサプリメントなどが再び輸入可能に!?新制度に新たな動き(2017年3月の動きに関する記事)
越境EC輸入新制度さらなる延長を発表。2017年5月から2017年末に再延期(2016年11月15日に関する記事)
中国での越境輸入は高い成長率と巨大マーケットから魅力的な一方で、整備がされていない法案や突然の規制で翻弄されるリスクも無視できません。
本来だと、輸入品は厳しい関税や検疫が義務付けられていたものの、越境ECで購入した商品は個人の利用品とされ、検査を免除されていました。
関税や検査を受けていない輸入品が安価に手に入ることで、国産品や中国国内で販売している商品などの売上に影響を受けることになるため、中国政府はこの状況を良いとは考えていません。
また、医薬品や粉ミルクなど直接体内に入れる商品を中国国民が使用することで、健康被害に合う可能性も示唆されます。
そこで政府は、越境EC輸入の特別試験エリアを15都市に展開しました。
特別試験エリアでは税金や物流の特例が認められてるエリアのため、そこを使えばコストを下げて越境EC輸入をやることが可能になります。
ただ、その一方政府機関は越境輸入の課税強化と新たな規制を公布しました。
あまりにも厳しい取締だったため、多くの業者が混乱を起こしてしまいました。
有名な話ですと粉ミルクの販売ですね。
中国では、中国製の粉ミルクにコンクリートが使用されていたことにより、多くの幼児が健康被害や死亡してしまったため、海外の粉ミルクの需要は高く、越境輸入で購入する人が多くなりました。
この事態を政府は芳しく感じておらず、規制案の中に粉ミルクは医薬配合した食品としてと検査が義務付けられました。
これは、実質中国での粉ミルク販売は禁止の措置になります。
突然の発表だったため、数多くの企業の反対や政府間の調整不足から、この規制施行を大幅にずれ込みを決定しました。
このように中国での越境EC展開には政府による法規制に翻弄されるリスクが少なくありません。
2016年時も延期をし、今回更なる延期を発表した昨日。
大変多くの人が驚いたでしょ。
越境輸入をやっている人からしたら朗報でですが、18年に規制が通るとのことなので、粉ミルクを含め医薬品は中国国内での厳しい検査や申請などをしなければならないので、幸せな時間もひととき…
ただ、この3年の間に二転三転している中国政府。
もしかしたら、来年も中国政府に振り回される可能性もないとは言いきれません。
商売をやっている身からしたら、翻弄されやりずらいと思うものの、15億人という巨大マーケットなので、見過ごすことはできないというのも本音ですね。
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