中国のショートドラマ市場の現状
中国においてショートドラマ(短編ドラマ)の市場が急速に拡大しています。
データの統計によると、2023年12月末までに、中国のインターネット動画ユーザーの規模数は10億人を超えており、そのうち超短編動画のショートドラマの市場規模は300億元(1元は約20.9円)を超え、1日あたりの課金額は6000万元に達しました。 今年の市場規模はさらに大幅に、更なる大幅拡大することが予想されます。
ショートドラマとは、1話あたり1~3分程度の短いエピソードで構成されるドラマを指します。視聴者は短い時間で完結する物語を楽しめるため、特に若年層に人気があります。中国発のショートドラマアプリの中でも、 TikTokや快手(Kuaishou)などのプラットフォームは月間で数百万ダウンロードを記録しています。REDなどもショートドラマに参入することを告知をしていました。
ショートドラマの特徴と魅力
◉短時間で楽しめる:ショート動画が流行っている大きな理由は、「手軽に視聴できるため」です。通勤時間や短い休憩時間に視聴できるため、忙しい現代人にとって理想的です。
◉縦型動画:スマートフォンでの視聴に最適化された縦型フォーマットが主流で、視聴者にとって見やすい形式です。
◉ストーリー性:短い時間の中でも強いストーリー性を持たせることで、視聴者を引き込みます。
越境ECにおけるショートドラマの活用方法
縦型の短編動画で楽しむショートドラマが、中国を中心に世界中で人気を集めています。中国市場は2024年には1兆円を超えると見込まれており、米国などでもその人気は拡大しています。
日本の企業が中国市場に向けて越境ECを展開する際に、ショートドラマを活用する具体的な方法として以下の戦略があります。
1.商品紹介やレビューのショートドラマ化
商品紹介や使用方法をショートドラマ形式で視覚的に伝えることが有効です。例えば、美容製品やファッションアイテムの使い方や効果について、短い動画で示すことにより、視聴者に商品への興味を持たせることができます。
例:化粧品ブランドがメイクアップのハウツー動画をショートドラマとして配信し、具体的な使用方法や効果を視聴者に伝える。
2.ストーリー性を持たせたプロモーション
商品のプロモーションを単なる広告ではなく、ストーリー性のあるドラマとして制作することで視聴者の興味を引き、共有や拡散を促進します。ショートドラマは短時間で完結するため、複数回にわたる連続ドラマ形式で商品の魅力を伝えることが可能です。
例:新製品の発表に合わせて、製品を使ったライフスタイルを描いたショートドラマを制作し、連続して配信する。
3.インフルエンサーマーケティングとの連携
中国ではインフルエンサーの影響力が非常に強く、彼らを起用したショートドラマの制作は大きな効果をもたらします。人気のインフルエンサーと協力し、彼らのフォロワーに対して製品をアピールすることで、信頼性と認知度を高めることができます。
例:ファッションインフルエンサーとコラボレーションし、新しい服やアクセサリーのコーディネートをショートドラマとして紹介する。
実際の成功事例
中国市場で成功している例として、韓国の化粧品ブランド「Innisfree」があります。Innisfreeは中国市場向けにショートドラマ形式の広告キャンペーンを展開し、若年層の視聴者にアピールしました。このキャンペーンは大きな話題となり、同ブランドの売上向上に寄与しました。
課題
ショートドラマは、限られた時間の中でドラマの核心を伝え、視聴者を惹きつける必要があるため、脚本家には高い表現力と構成力が求められます。短い尺の中で緊張感や葛藤を際立たせ、サスペンス感を効果的に演出するには、高度な技術と工夫が不可欠です。
まとめ
中国のショートドラマ市場は急速に成長しており、日本からの越境EC展開においても大きな可能性を秘めています。商品の魅力を短時間で効果的に伝えるために、ショートドラマを活用したプロモーション戦略を取り入れることで、競争力を高めることができるでしょう。今後もショートドラマ市場の動向に注視し、適切な戦略を立てることが重要です。
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