結論から言うと、経済成長率が緩やかに減速しているとしても拡大を続けています。一部減速の兆候は見られるものの、依然として巨大な市場であり、成長の余地は残されています。
▶︎減速の要因
中国EC市場の減速には、いくつかの要因が考えられます。
・ 経済成長の鈍化: ゼロコロナ政策の影響や世界的な景気後退などにより、中国経済全体の成長が鈍化しています。
・ 競争の激化: EC市場の成熟に伴い、アリババグループ(Alibaba)といった既存の大手企業に加え、拼多多(Pinduoduo:2015年9月に開始した、共同購入のシステムを持つECプラットフォーム)などの新興企業が台頭し、競争が激化しています。
【中国におけるECプレーヤーの市場シェア(2022年)】(出所:eMarketerデータMUFG作成)
・ 規制強化: 独占禁止法の強化やデータ保護規制など、政府による規制が強化されています。
・ 消費者の変化: 消費者の購買行動が変化し、ライブコマースやソーシャルコマースなど、新たなチャネルが注目されています。
→ それでも巨大な市場規模
上記のような減速要因がある一方で、中国EC市場は依然として世界最大の規模を誇り、成長を続けています。
コロナ禍等の不景気の影響を受けても、中国における中間所得層の増加により、2027年までの年平均成長率(CAGR)は8%と見込まれており、約4兆米ドルの市場規模に達すると予測されています。EC市場の魅力度の高さを裏付けています。
中国のEC 市場規模推移予測(2021-2027 年)(出所:eMarketerデータMUFG作成)
▶︎市場規模
2023年の中国EC市場規模は2兆9,875億ドルと、世界シェアの5割を超えています。
・ EC化率: 中国のEC化率は48.0%に達しており、今後も上昇が見込まれています。
・ 成長率: 成熟市場にも関わらず、前年比11.4%増と高い成長率を維持しています。
【越境EC利用者数推移(2023年の上位10カ国の合計)】(出所:eMarketerデータJETRO作成)
▶︎今後の展望
今後の中国EC市場は、新たなテクノロジーの導入や消費者の多様化が鍵となると考えられます。
・ ライブコマース: ライブ配信を通じて商品を販売するライブコマースは、中国で爆発的に普及しており、今後も成長が見込まれます。
・ ソーシャルコマース: WeChatなどのソーシャルメディアプラットフォーム上で商品を販売するソーシャルコマースも、注目されています。
・ OMO: オンラインとオフラインを融合したOMO(Online Merges with Offline)と呼ばれる販売手法も、普及が進んでいます。
・ 越境EC: 中国の消費者は海外製品への関心が高く、越境EC市場も拡大しています。
まとめ
中国EC市場は、減速の兆候が見られるものの、依然として巨大な市場であり、成長の余地は残されています。
企業は、変化する市場環境に対応し、新たなテクノロジーや販売手法を導入することで、成長を続けることができるでしょう。
中国のマーケティング市場やSNS運営&広告に関する質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
最新情報をお届けします
Twitter でbizchinablogをフォローしよう!
Follow @bizchinablog
コメントはこちら