そして今では、「爆買いはいつまで続くのか?」という議論も多くのメディアでなされています。
そこで、中国ビジネス初心者でも分かる大まかな「爆買いの現状とこれから」をお話できればと思います。
そもそも、どうしてこんなに中国人観光客が一気に来日するようになったのでしょうか?いわゆるインバウンド需要がいきなり膨れ上がったのには、主に下記のような5つの要因があります。
- 中国国内で新中間層と言われる人々の所得が拡大したこと
- ビザ発給要件が緩和されたこと
- 為替が元高円安であること
- 渡航手段が多様化したこと
- 習近平政権の政策(所得倍増計画の推進、民間消費による経済振興と海外旅行の推進)
習近平政権の政策に関しては、こちらの記事で簡単にまとめています。
俗に国民1人あたりのGDPが1万ドルを超えると海外旅行が本格化してくると言われているのですが、2012年の段階で約6,400ドルでした。
しかし、インバウンド需要があるから爆買いが起こるというわけでもありません。読んで字のごとく、爆買いとは1人が爆発的に大量購入をするということです。その要因には以下のような理由があります。
- 日本の高品質・高性能な商品を買いたいという強い意欲
- 中国国内ではご存知のとおり、偽物や類似品が多数出回っており、中国人消費者でさえ自国の流通商品を信用していないところがあります。たとえそれがれっきとした本物の海外ブランドであっても、百貨店や信用できる海外ECでしか買いたくないということもあるくらいです。
- 中国の税制に起因する国内外の商品価格差
- 商品によっては関税率が高く、輸送コストなども含めると、日本に行って買ったほうが安いという商品も珍しくありません。
しかし、多くの中国人観光客が来て、この先も爆買いを永遠に続けてくれるかというと何とも言えないところですが、明らかに言えることは、日用雑貨などの消耗品は売れ続けたとしても、これまで爆買いされてきたウォシュレット付便座や南部鉄器などは、そう繰り返し買うものでもありません。いずれ沈静化していくことは目に見えています。
また東京や大阪など「まずは首都や有名都市に!」と思っていた人たちも、いずれ本当に日本に魅力を感じたのであれば、地方へと足を運ぶようになります。現に旅行スタイルも変わってきており、団体旅行から個人旅行にシフトしていることは日本の旅行会社関係社の声からよく聞きます。
そして中国政府の今後の政策も気になるところで、中国国民の海外での銀聯カードの使用金額に制限を設けたり、越境ECの税制改正を行うなど、中国国内での消費をなるべく増加させ税収を増やす仕組みを作りつつあります。
というわけで、爆買いが今後は完全に無くなるというわけではなさそうですが、明らかに中国人観光客の動きは変わってきており、その消費スタイルも変わってくることは間違いなさそうです。中国政府の動きにも要チェックですね。
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