「FREE No-Rush Shipping」とは、まさに読んで字のごとく、’’急がない配送’’という意味ですね。
アマゾンプライム会員は通常、アマゾン直販の商品を購入すると当日か翌日には商品が手元に届きます。しかしながら、米国や英国など年末年始のセールシーズンが続く国では注文が通常時に比べかなり増え、さすがのアマゾンも物流がパンク寸前にまでなるのでしょうか。この「FREE No-Rush Shipping」プログラムでは、「5営業日以内でのお届け」という遅めの着期限の代わりに、この配送オプションを選んだユーザーにはプロモーショナルクレジット(Promotional credit)が付与されます。
プロモーショナルクレジットとは、次回の買い物で使える現金(ポイントのようなもの)です。
このプロモーショナルクレジットは、アマゾン内でのあらゆる商品の次回購入時に利用することが出来ます。例えば、電子書籍やアマゾンビデオで購入できる映画、アマゾンパントリーで購入できる食料品や日用品など、アマゾンが使用不可と指定した商品以外は利用が可能です。プロモーショナルクレジットが付与されるのは、商品購入時に配送オプションで「FREE No-Rush Shipping」を選択した際に自動的に付与されます。
これは米国や英国のアマゾンプライム会員の配送サービスの話ですが、各々のユーザーのニーズをたくみに拾っている興味深い事例です。「そんなに急がなくてもいい」というユーザーはアマゾンだけでなく、他のECプラットフォームにも少なからず存在します。例えば、越境ECプラットフォームにもこのようなルールをしく事業者が今後現れてくることもそうおかしな話ではないでしょう。先日、12月1日に京東商城(JD)は送料を実質値上げをしました。おそらくユーザーには受け入れ難い内容であり、単純な送料値上げではユーザー支持の低下を招きかねません。何かしらユーザーにメリットを感じてもらえる手段を考えた時に、このAmazonの「FREE No-Rush Shipping」プログラムはその1つの手段となり得るかもしれません。うまく機能しているということが分かれば、そのうちに中国ECプラットフォームでも、’’急がない配送’’を始める事業者も出て来るかもしれませんね。またプラットフォーム単位での導入とならずとも、越境EC出店企業が単独でこのような配送キャンペーンを実施することも可能ではあります。消費者への新しい提案として真似をするEC出店企業も出現するのではないでしょうか。
※参考:米国アマゾンの「FREE No-Rush Shipping」プログラムの詳細はコチラ。
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